寒い日の浴室は危険がいっぱい。入浴事故を防止する6つの寒さ対策


寒い日、お風呂で温まり1日を終える。1日の疲れを癒やす入浴は、至福のときです。でも、注意してください。浴室が寒いと、とても危険。ヒートショックといって、心筋こうそくなどを生じやすくなるからです。入浴での事故を防止するには、暖かくするのが一番。そこで、浴室の寒さ対策をまとめました。しっかりと温まり、心もからだもリラックスしましょう。

  1. 増える入浴事故
  2. 浴室の寒さ対策
  3. 入浴事故を防ぐための注意点
  4. まとめ

1.増える入浴事故

厚生労働省によると、家庭の浴槽での溺死者数は、平成26年に4,866人に達しました。平成16年と比較すると、10年間で1.7倍にもなっています。同じ平成26年の交通事故死者数は4,113人です。入浴事故がいかに多いかがわかるでしょう。このうち、約9割を65歳以上の高齢者が占めています。
4,866人という数字は、あくまでも浴槽での溺死者数です。救急車で運ばれた患者数から推計した入浴中の事故死を含めると、年間約19,000人が亡くなっています。
原因として指摘されているのがヒートショック。温度変化がからだにもたらす悪影響のことです。急激な温度変化により、血圧が大きく変動して心臓に負担がかかります。そして、心筋こうそくや脳梗塞などを起こしてしまうのです。
高血圧や動脈硬化の持病がある方が影響を受けやすいといわれます。特に、高齢者は注意が必要です。家庭内で高齢者が死亡する原因の4分の1を、ヒートショックが占めるといわれています。高齢者でなくても、寒い日の入浴には気をつけましょう。

2.浴室の寒さ対策

ヒートショックなど入浴事故を防ぐには、急激な温度変化がないように、住まいの中を、暖かくてできるだけ均一の温度にすることです。浴室だけでなく、脱衣所などの対策も必要になります。ポイントは、シャワーや暖房器具を上手に使って、蒸気や熱を逃がさないようにすること。給湯式の浴室を例に、入浴の際の寒さ対策をまとめました。

2-1.バスタブにフタはしない

お風呂にお湯をためるときは、フタをしないようにしてください。水蒸気が浴室に充満し、浴室を温めてくれます。バスタブへの給湯口ではなく、高い位置にあるシャワーを使って給湯すると、より効果的です。入浴するときの温度より1、2℃高い温度で給湯すると、バスタブのお湯の温度は適温になります。
給湯と入浴中は、換気扇は止めてください。暖かい空気が逃げてしまいます。

2-2.脱衣所を暖める

見落としがちなのが脱衣所です。脱衣所も浴室と同様に寒くなっています。ハロゲンヒーターやカーボンヒーターを使って暖房しましょう。浴室暖房システムがついている場合は、脱衣所と一緒に暖房する方法もあります。その際は、バスタブのフタをして、バスタブの給湯口からお湯を入れましょう。そして、浴室のドアをあけておきます。バスタブにフタをするのは、脱衣所まで湿気が入ってこないようにするためです。
ただし、暖まるまでに時間がかかります。ですから、余裕をもって暖房してください。脱衣所は、入浴中も暖房したままにしましょう。入浴後も、温まったからだを冷やさずに済みます。

2-3.浴室にマットを敷く

蒸気などで暖かくしても、浴室の洗い場は冷たい状態のままです。浴室に入ったとたん、床の冷たさで血圧が変動すると心配。でも、浴室用のマットを敷くと、足が冷たく感じなくて済み、心臓に負担をかけることもありません。しかも、転倒防止にもなるので便利です。

2-4.壁や床にお湯をかける

浴室に入ったら、シャワーのお湯を浴室の壁や床にかけてください。お湯の温度は、高めにするといいでしょう。浴室がより暖かくなります。シャワーでの給湯は、最初のうちは冷水です。からだにかからないように注意しながら、温水になるまでバスタブの中に流しましょう。
壁にお湯をかけると、カビが心配という人もいます。でも、そんなことはありません。カビが生えるのは、シャンプーなどの泡がついたとき。泡がついたら洗い流すと、カビが生えることはありません。

2-5.窓に断熱材を貼る

窓に断熱材を貼ると、保温効果はグーンとアップ。外の冷気が伝わりにくく、浴室の暖気も逃げにくくなります。銀色のシートなどを使ってもOK。二重窓にして断熱材を使えば、効果はさらに高まります。

2-6.浴室内でからだを拭く

入浴が終わって浴室を出る前に、まず、浴室内でからだを拭くようにしましょう。ぬれたからだを冷やさずに済みます。脱衣所でからだを拭く時間は、できるだけ短くすること。そして、用意していた服に素早く着替えてください。風邪をひかないように、髪の毛も早く乾燥させる必要があります。

3.入浴事故を防ぐための注意点

寒い日に入浴事故を防ぐには、入浴前に寒い浴室や脱衣室を暖めることが一番ですが、それ以外にもいくつかあります。事故を防ぎ安全に入浴するための注意点を集めました。

3-1.お湯の温度は41℃以下

入浴するときの温度は、41℃以下にしましょう。あまり高い温度だと、からだへの負担が大きくなります。
バスタブのお湯につかる時間は10分が目安です。長くお湯に入っていると、のぼせて意識障害が起きる危険も。体温がお湯の温度まで上昇し、熱中症になる可能性があります。

3-2.浴槽から急に立ち上がらない

入浴中は、お湯でからだに水圧がかかっている状態です。急に立ち上がると、からだにかかっていた水圧が解放され、圧迫されていた血管が一気に拡張してしまいます。すると、脳にいく血液が減り、脳は貧血状態に。その結果、一過性の意識障害を起こすことがあります。浴槽から出るときは、手すりや浴槽のへりを利用して、ゆっくり立ち上がるようにしましょう。

3-3.飲酒と食後の入浴は避ける

入浴中の事故死の一部検体には、アルコールの検出が認められたという報告があります。飲酒後、アルコールが抜けるまでは入浴しないようにしましょう。また、高齢者は、食後に血圧が下がりすぎて、食後低血圧になり失神することがあります。食後すぐの入浴は避けましょう。
体調が悪いときや睡眠薬などの服用後も、入浴は避けるのがベターです。深夜や早朝は、気温が低下するのに加えて、同居者が気づきにくくなる可能性も。入浴はなるべく控えた方がいいでしょう。

3-4.入浴前はひと声かけて

入浴中に体調に異変が生じたり、悪化したりする心配があります。入浴時の死亡事故を防ぐにはためには、早期発見が何よりも大切です。同居者がいる場合は、入浴前にひと声かけるようにしてください。同居者に高齢者がいるときや、いつもより入浴時間が長いと感じたら、こまめに様子を見にいきましょう。

4.まとめ

危険がいっぱいの寒い日の入浴。浴室の寒さ対策を紹介しました。入浴での事故を防止するには、暖かくするのが第一です。大きく5つの項目にまとめて対策を紹介しています。また、入浴事故を防止するために、暖かくする以外の注意点として、4点をあげました。
あなたのお住まいの浴室環境はどうなっていますか?暖房器具などはすぐに用意できますが、浴室暖房システムや二重窓は、すぐには無理です。もしも、浴室暖房システムなどがないならば、リフォームに合わせて取り入れることをおすすめします。浴室では、しっかりと温まって、心もからだもリラックスしましょう。